魚屋

私は、大学を卒業してから大手スーパーの鮮魚コーナー一筋で働いてきました。40歳になったときには自分の魚に対する目利きに自信を持ち、独立して鮮魚店を経営していけると考え、思い切って会社を辞めました。

その頃はすでに結婚していて子供もいましたので、思い切って土地を購入して店舗兼自宅を建設したのでした。それが2010年でした。

月返済は20万円商売は順調にスタート

建設資金のほとんどは住宅ローンでまかないました。大手のインターネット銀行から、金利2%で6000万円を借りました。毎月の返済額は約20万円でした。

このようにして、鮮魚店の経営を開始しました。開業当初は、新聞への折り込みチラシを入れたり、最寄りの駅前でチラシを配るなど睡眠時間を削って広告宣伝にも努め、これが功を奏して、地元の主婦たちが固定客になってくれました。

滑り出しが好調となった理由のひとつに、近隣のスーパーで扱っている魚が安くてサイズが小さいものが多かったのだと思います。私は、脂がのっている魚をメインに仕入れていました。値段は高くても、おいしい魚を提供すれば商売はうまくいくと考えたのです。

ショッピングモールができて売上半減しローン滞納

ショッピングセンター

ところが、2014年になって自宅から車で15分の場所にショッピングモールがオープンしたと同時に、私の店のお客さんが離れていってしまいました。

買い物の利便性を優先しているらしく、これまでの固定客の来店頻度が明らかに落ちていきました。私の店は売上高が半減してしまい、資金繰りが厳しくなっていきました。

そして、2015年に入ると住宅ローンの返済を、1度滞納してしまったのです。自宅には、インターネット銀行の担当者から電話がかかってきたり、何度もメールが送信されてきました。

私はやむをえず、銀行に出向いて当時の収入の状況を説明したのですが、滞納の実績があるということと、現在の私の収入状況から判断して住宅ローンの返済を続けることは困難ではないかと言われました。

さらに、滞納が続くようなら自宅を差し押さえなければならないとまで言われました。

私は、差し押さえだけは勘弁してほしいと頼んだところ、銀行としても強制執行で差し押さえて競売に出すよりは、所有者自らが任意売却という形で自宅を売却し、その売却代金をすべて住宅ローンの返済にまわすことが望ましいとのことでした。

私はもはやローンの返済は無理だと思いましたので、ネットで任意売却の情報を集めました。

任意売却で処分し残金800万円はローン返済

任意売却すれば、市場の価格と近い価格で売れるけど、競売になると半値近くになってしまう、ということはだいたいわかりました。

なるべく高く買ってもらえば損失の少なくなるしまたやり直すことができる、それに差し押さえで競売になれば、近所にも知れてしまい子供もかわいそうだ、と思い任意売却することを決めました。

任意売却の業者は、ネットで無料相談に申し込んで2社と連絡を取り、その中の1社と面談してお願いしました。

商売のことを真剣に聞いてくれて、再スタートするためのアドバイスを色々してくれたからです。

家を買った場所が駅から近かったこともあり、任意売却で4700万円で売れました。ローンが800万円近く残りましたが、妻と力を合わせればなんとか返せる金額なので、頑張って返していくことにしました。

今は大手のスーパーに再就職し、妻はパートで頑張ってローンを返しています。