住宅ローンの返済や、クルマや洋服を買うために消費者金融から借りて返済が滞り、督促状や電話がかかってくるようになると「自己破産」という言葉が頭に浮かぶようになります。

車のローン

自己破産とは「借金をしすぎて返済ができなくなった場合、裁判所を通じてすべての財産を処分し借金を免除してもらうこと」をいいます。

ですから自己破産すれば、「今まで苦しんでいた借金すべてがチャラ」になり、以後一切、ローン返済の督促や消費者金融からの取り立てがなくなります。

いいことだらけのような「自己破産」ですが、メリット、デメリットは何なのでしょうか。

自己破産のメリット・デメリット・守られる権利

自己破産を申告した人は、毎日のようにあった督促状や取り立ての電話がピタッと止まり、「地獄から開放されたようだ・・」といいます。

自己破産が認められれば、金銭的にも精神的にも追い詰められていた生活から抜け出すことができ、新しく生活をさせることができます。

自己破産は、借金で苦しむ人を再生させるための、国が行う救済処置なのです。

自己破産すると制限されることがいくつかありますが、それは一般的に思われている以上に緩やかなものです。

自己破産のメリット

すべての借金が免除される

延滞税金、健康保険、養育費、慰謝料、罰金、過料などは免責になりません。

貸金業者からの取り立てが一切止まる

まさしく「戦場から平和な国へ」移住してきたような気持ちです。

誰でも申請することができる

自己破産は誰でも申請できますが、裁判所から「返済不能」と認められことが必要です。「返済可能」と判断されれば、自己破産できません。

自己破産のデメリット

就ける職業の期間制限

弁護士、公認会計士、税理士、公証人、司法書士などの士業。
宅地建物取引業者、証券会社、外交員、質屋、風俗営業者、古物商、建設業者、後見人などの資格業(他にもあります)に就くことの期間制限があります。

制限される期間は、自己破産申立てから許可決定までの間(3ヶ月~約半年程度)で、自己破産が決まれば再び就けることができます。

資格を失ったり退職されられるわけではありません。

信用情報に登録

信用情報(ブラックリスト)に登録されるため、新たなローン借入やカードの発行等は、5年~7年の間できなくなります。

ブラックリストは、自己破産前のローン滞納した時点で登録されてしまっているケースがほとんどです。

財産の処分

20万円以上の価値のある財産は、すべて売却され返済に回されます。家やクルマや高額な家電製品、貴金属類、絵画などのすべてが処分されます。

自由の制限

申請し破産が確定するまでの間は、郵便物が管財人に配達されたり、裁判所の許可がないと転居や長期旅行ができないなどの制限があります。

自己破産が決定すれば、破産者でなくなるので制限がなくなります。

官報に掲載される

官報は、国が発行している新聞のようなもので、法律や政令の情報、破産・相続等の裁判情報などが掲載されおり、休日を除き毎日発行されています。

自己破産すると、この官報に名前が掲載されることになります。

ただ、官報を見る人はほとんどいないので、自己破産を知られることはほとんどありません。

※官報は、官報販売所や政府刊行物サービスセンターで売っています。また、大きな図書館で見ることができます。

本籍地の破産名簿に登録される

「自己破産を申請し免責が得られなかった人」の名前が、本籍地のある市町村の役所にある「破産者」の名簿に登録されます。

免責が認められた人(自己破産した人)は掲載されませんし、ほとんど誰も見ることはありません。

自己破産で守られるもの

「自己破産をすると、親戚や友人、会社、学校などに知れ渡たり、肩身の狭い生活が待っている・・」と思いがちですが、実は生活に影響を受けることはほとんどありません。

自己破産しても、守られることまとめてみました。

普通の生活

自己破産が認められた人は、すでに破産者ではなくなっているので、生活面で制限を受けることはほとんどありません。普通の生活と何ら変わることなく過ごせます。

賃貸住宅での生活

自宅を保有している場合、自己破産すればもちろん家を失うことになりますが、賃貸に住んでいるケースでは、そのまま住み続けることができます。(家賃を毎月滞納なく払うことが前提)

会社勤めの制限はない

就業の制限を受ける人以外は、会社への報告の義務もありませんし、自己破産により何ら制約を受けることはありません。

就業の制限を受ける人も、破産が認定されるまでの間(約3ヶ月~半年の間)仕事に就くこと(その間、事務職など他のセクションに就く)であって、解雇されるわけではありません。

自己破産の情報

自分の口から言わない限り、自己破産であることが家族以外の他人に、知れることはほとんどありません。会社にも自分で言わない限りは知れることはありません。

評価20万円以下の財産

テレビ、洗濯機、冷蔵庫、箪笥など、生活に必要で普通の価格帯(売却しても20万円以下になってしまうので)のものは、差し押さえの対象になりません。

自動車の場合、ローン残がなく7年以上経過し、処分金額が20万円以下にしかならないクルマは対象外となることがあります。

99万円以下の現金

当面の生活費として、99万円以下の現金の保有が認められます。

選挙権

現在は、選挙権などの国民としての権利がなくなることは一切ありません。選挙権がなくなったのは戦前の話しです。

7年目以降のローン

信用情報に記録されている期間は5年~7年と言われています。その期間がすぎれば、新たなローンを組むことができます。